「“今日、いまこの瞬間”に、すべての意識を集中して
夢中になって打ち込んでいれば、明日の心配は何もいらない」
雑誌で紹介されていたキャッチコピーを読んで、
すぐに上映館へ足を運んで観たのが、映画『今日と明日の間で』。
これはバレエダンサー首藤康之さんのドキュメンタリー映画。
ボレロをつくったことで知られるモーリス・ベジャールや、
ネザーランド・ダンス・シアターを世界的な
コンテンポラリーバレエカンパニーへと押し上げたイリ・キリアン。
そうした著名な振付師に愛されたダンサーの軌跡が、
出演作の映像とともに紹介されている。
バレエへの愛や情熱があるのはもちろんのこと、
表現すべきことを表現できる肉体も持ってはじめて表現者たりえるバレエ界。
踊りたい人が踊るのではなく、踊るべき人が踊る。
そんな厳しい世界で、生きてきた首藤さんの生き方は、
あまりにもまっすぐで、迷うことを知らず、
自分と引き比べることもできない。
けれど、それほどよそ見をせず、
情熱を持ってひとつのことを成し遂げた人がこの世に存在する。
その美しさを知るだけで、不思議と自分まで救われる気がした。
写真:この間、40歳を迎えたという首藤さん。
空がそのときどきで違う美しさを見せるように、
20代では表現できない圧倒的な存在感をスクリーンで見せていた。
#
by megumi_mh
| 2012-01-08 23:52
| 映画