オルタナティブなカルチャーライフについて綴ります。


by megumi_mh

カテゴリ:映画( 13 )

今日と明日の間で

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「“今日、いまこの瞬間”に、すべての意識を集中して
夢中になって打ち込んでいれば、明日の心配は何もいらない」

雑誌で紹介されていたキャッチコピーを読んで、
すぐに上映館へ足を運んで観たのが、映画『今日と明日の間で』。
これはバレエダンサー首藤康之さんのドキュメンタリー映画。

ボレロをつくったことで知られるモーリス・ベジャールや、
ネザーランド・ダンス・シアターを世界的な
コンテンポラリーバレエカンパニーへと押し上げたイリ・キリアン。
そうした著名な振付師に愛されたダンサーの軌跡が、
出演作の映像とともに紹介されている。

バレエへの愛や情熱があるのはもちろんのこと、
表現すべきことを表現できる肉体も持ってはじめて表現者たりえるバレエ界。
踊りたい人が踊るのではなく、踊るべき人が踊る。
そんな厳しい世界で、生きてきた首藤さんの生き方は、
あまりにもまっすぐで、迷うことを知らず、
自分と引き比べることもできない。

けれど、それほどよそ見をせず、
情熱を持ってひとつのことを成し遂げた人がこの世に存在する。
その美しさを知るだけで、不思議と自分まで救われる気がした。

写真:この間、40歳を迎えたという首藤さん。
空がそのときどきで違う美しさを見せるように、
20代では表現できない圧倒的な存在感をスクリーンで見せていた。
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by megumi_mh | 2012-01-08 23:52 | 映画

洋菓子店コアンドル

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映画『洋菓子店コアンドル』を観た。
蒼井優演ずる主人公なつめが、ケーキ職人として奮闘するなか、
周囲の人々を少しずつ変えていくという作品。

「美味しい食べ物が人を幸せにする(or変える)」系の作品はほかにもあって、
正直なところ、全部が全部、面白いわけではないので、
実はあまり期待していなかったのだけれど、これが思いのほかよかった。

主人公だけでなく、周囲の登場人物もとても生き生きとしていて、
どの人物の気持ちも「分かるなあ」という感じ。

なつめに対して、「あんたのその自信過剰なところがムカツクのよ!」
(もうDVDを返却してしまったので、正確な引用ではないけれど)
と捨て台詞を吐いた、江口のりこ演ずるマリコにだって肩入れしてしまう。

だって、自分は誠心誠意やってきたのに、
なつめみたいに半人前のくせに大口たたくヤツが目の前にいたら、
ムカツクじゃない。

そんなマリコに共感するのは、私が意地悪なだけかもしれないけれど、
一生懸命であるがゆえに出てくる負の感情に対しては、
ある意味「いじらしいなあ」と思ってしまう。

それもこれも「いじらしい」と思わせる説得力が、
この映画にあったからかもしれない。

それから、この作品を観ていて思わず目がいってしまったのが、女性の美しさ。
戸田恵子や加賀まりこが美しいのは知っていたけれど、
この映画ではさらに輝きが増していたように思う。

お菓子も美味しそうだし、目黒川沿いの景色もきれいだし、
夢を見させてくれる映画でもあった気がするなあ。

写真:ご近所のカフェで食べたピスタチオのケーキ。
最近、体調のことを考えてケーキはごぶさたしているけれど、
やっぱりスイーツは、人を幸せにしてくれるよねえ。
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by megumi_mh | 2011-12-20 00:03 | 映画

自分の心に従う勇気

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You need only the courage to follow your heart.
(自分の心に従うのに必要なのは、勇気だけ)

『ジュリエットからの手紙』の予告編でこの言葉を聞いたとき、
「絶対にこの作品を観よう」と思った。
バタバタしていて、結局DVDで観ることになったけれど。

この映画は、主人公のソフィが
イタリアのヴェローナにある「ジュリエットの家」で、
イタリアの少年に恋をしたイギリス人少女の手紙を見つけ、
50年の時をへて、「ジュリエットの秘書」として返事を書くというもの。

50年もたっているのだから、当然少女はすでに年配のご婦人に。
イタリアの少年は生きているかどうかも分からない状態。
にもかかわらずソフィは根気強く、
イギリス人のご婦人がかつて恋をした少年を探すのを手伝う。

イタリアの田舎の風景がとっても美しく映し出された映画だった。
日本にいて普通に日常生活を送っていたら、
ちょっとリアリティを感じにくいかもしれないけれど、
冒頭の言葉に共感できる人なら、楽しめるかも。

興味のある人は一度、どうぞ。

写真:食事風景も素晴らしくて、自然とパスタが食べたくなった。
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by megumi_mh | 2011-11-28 18:24 | 映画

目黒シネマ

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きょうは作品自体の話ではなく、映画館のお話を。

東急目黒線沿線に住みだして早7年目。
目黒駅も近いということで、目黒シネマにはたびたびお世話になっている。

ここは封切から3ヵ月~半年以上たった映画を公開する、
いまは貴重な存在となった二番館。

「いつも腹ペコ2本立て」と銘打って、
毎回オリジナルなテーマの下にセレクトされた映画が公開されている。

料金も2本観て1500円。
ウェブ上のクーポンをプリントアウトしたり、
毎回入場時に配布される割引券を利用したりすれば、1300円。
最終回1本しか観られない場合は900円ととにかくリーズナブル。

いまや映画館の主流となっているシネコンと比べると、
ずいぶんレトロな造りの映画館だけれど、
イスのクッションもやわらかいので、長時間鑑賞しても苦にならない。
(古いと「痛くて映画2本分座ってられん……」てとこもあるので)
冬はブランケットや座布団を貸し出してくれるので、寒さ対策もバッチリ。

あと、(実際に食べるかは別にして)個人的に
アイスもなかを販売しているところが好き。
昔はどこの映画館でも、アイスもなか売ってたよねえ。

そして、最終回の上映が終わって、「さあ、閉館」というときには、
「蛍の光」ではなく、決まってスキーター・デイヴィスの
この世の果てまで」が流れる。

Don't they know it's the end of the world.
(彼らには世界の終わりだってことが分からないの?)
It ended when you said goodbye.
(あなたがさよならを言ったときに、世界は終わったのよ)

映画館が営業時間を終えるだけなのに、
大げさな歌詞の歌がセレクトされているとは思うけれど、
ここならではな感じが、個人的に気に入っている。

写真:館内には映画関連の雑誌や書籍がたくさん置いてあって、
貸し出しにも応じてくれるらしい。
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by megumi_mh | 2011-11-17 23:32 | 映画

甘い言葉よりも行動を

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最近「どんなに言葉で取り繕っても、
行動で示すことができなければ意味がないなあ」と思うことが多い。

そうして思い出したのが、映画『マイ・フェア・レディ』
の挿入歌「Show Me」。

これは甘い言葉で愛をささやくフレディ青年に、
「私を愛しているなら、行動で示してよ!」と
オードリー・ヘップバーン演じるイライザが詰め寄るときに歌われる歌。
たしかに、恋も仕事も行動なくして勝ち取れないよねえ。

ちなみに、フレディ青年を演じているのは、ジェレミー・ブレッド。
NHKで何度も放送された英国グラナダTV制作の
『シャーロックホームズの冒険』で、シャーロックを演じた俳優さん。

どちらの作品も好きなのに、あまりにも両作品で印象が違うので、
私は長らく、同一人物だと気づかなかった……。
俳優さんて、カメレオンぶりがやっぱりスゴイ。

写真:『マイ・フェア・レディ』で
花売り娘のイライザが売っていそうな花束でしょ。
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by megumi_mh | 2011-11-08 23:04 | 映画
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身長制限に引っかかって、
ジェットコースターに乗れなかったジョシュ少年。
彼は遊園地内にあった願いを叶えるマシーンに、大人にしてくれと懇願する。
そして翌朝起きてみたら、本当に成人男性の体になっていた!

しかし、体は大人でも、頭の中は子どもまま。
家族には自分だと信じてもらえず、家を出る羽目に。
一時はどうなるかと思ったものの、その後
子ども独自の感性が活きる、おもちゃ会社に就職。
次々とヒット商品を飛ばして、
あれよあれよという間に昇進していく。

しかし、社会生活にもまれ、
頭の中まで大人になってしまったジョシュ少年。
子どもの心をとらえる商品を生み出すことができなくなり……。

というのは1988年に制作された、トム・ハンクス主演の映画
『ビッグ』のあらすじ。

子どものときにこの映画を観て、
大人になったら知らないうちに、自分もある種の輝きを失うかもしれない、
と漠然とした不安を抱いたのを覚えている。

しかし、多くの大人がそうした事態に陥りやすいからといって、
すべての大人がそうだとは限らない。

そのいい例がおそらく一昨日、他界した
アップルのCEOスティーブ・ジョブズ。

彼がアップルやピクサーで何を成し遂げたのか、よくは知らなくても、
スタンフォード大学で行われたスピーチを聞けば、
彼が目を輝かせ、情熱を燃やしながら生き抜いた
56年間の人生が垣間見える。
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by megumi_mh | 2011-10-07 19:38 | 映画

東京公園

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人は自分にとってかけがえのない人のことを、
どれだけきちんと見つめられているのだろうか。

あるいは、見つめていても、
「自分はだまされているだけかもしれない」と頭でっかちに考えて、
目にしたり感じたりした相手の優しさを、
否定して回ってはいないだろうか。

相手との関係をなんとなく表層でごまかしたり、
相手が信じられなくなったりしているとしたら、
そんな問いかけをしてみるといいかもしれない。

そして、「自分たちの関係はこうあるべき」とか
「出し抜かれてたまるか」とかいう
つまらない考えに目を曇らせることをやめて、
自分と相手が感じていることを、
じっくりと見つめ、素直に受け止めてやればいい。

それができている限り、相手との関係は温かいものであるはず。
恋人だとか夫婦だとか兄弟だとか友人だとか、
相手との関係を表現する呼称なんて、あまり重要ではない。

青山真治監督の『東京公園』を観た翌日、
少し時間がたってから、ふとそんな考えが降りてきた。

写真:近所の公園で撮影した、子どもの落書き。
もう子どもの姿はなかったけど、
たしかにだれかがここで遊んでいた証拠。
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by megumi_mh | 2011-10-05 15:33 | 映画

定点観測

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最近、ヨガを始めたおかげで、
自分の体の状態をじっくりと観察する機会が増えた。
まるで自分の体を定点観測しているようなものだな、と感じる。

筋肉の張りや股関節の調子など体はたえず変化していて、
1日たりとて同じということがない。
ささやかではあるけれど、毎回ある種の驚きを感じる。


そして少々話は飛ぶけれど、定点観測といって個人的に思い出すのが、
作家のポール・オースターが脚本を執筆した映画『スモーク』だ。

この映画には、ハーヴェイ・カイテル演じる煙草屋の店主が、
何年にもわたって1日も欠かさず、同じ時間に店の前にカメラを置き、
通り過ぎる人々を撮影し続けるというエピソードが盛り込まれている。

たしか煙草屋の店主はオギー・レンという名で、
彼が「写真を撮らなきゃいけないから、旅行にも行けやしない」
などと言いながらアルバムを広げるシーンがあったと思う。

そうして撮影された写真を愛おしそうに指でなぞり、
日々変化するブルックリンの街や人を振り返っていた。
そのときの彼の表情がやさしくて、とても好きだったんだ。
彼も日々の小さな変化に驚きを感じていた人物のひとりなのかもしれない。

と、こんなことを書いたものの、ずいぶん昔に観た映画なので、
本当にそんなシーンがあったのか、記憶が定かではない。

でも、実際にそういうシーンがあったのか、
ディテールが合っているのかどうかよりも、
「そういうシーンがあったはずだ」と感じたことのほうが、
重要なんじゃないかな、といまは思う。

写真:自宅アパートの屋上からよく東京タワーを撮影する。
いまは向かって左手にスカイツリーが見えるんだよね。
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by megumi_mh | 2011-10-03 21:05 | 映画

SOMEWHERE

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きのう目黒シネマでソフィア・コッポラ監督の『SOMEWHERE』を観た。
「目黒シネマなら、最終回900円だし」
という軽いノリだったのだけれど、これがことのほか胸にズシンと来た。

今回の場合は前情報なく観たのが、逆によかったのかも知れない。
上映後、映画館の壁に貼られているインタビュー記事を読んだら、
あるキーワードでこの映画が語られていて、
「その言葉を先に読んじゃったら、
いろんな物を見落としてしまいそう」と感じたからだ。
(記事自体はきちんとした、厚みのあるものだったけれど)

たとえるならば、ひと言で「ピンク」と言っても、
ローズピンク、サーモンピンク、ベビーピンク……、
といろいろあるのに、「これは『ピンク』です」って先に言われると、
もう自分が知っているピンクしかイメージできなくなって、
実際に目の前にある色をそのまま受け取れなくなってしまうみたいに。

ということで、この映画のお話はこれくらいでオシマイ。
まだ観ていない方はぜひ映画館へ or DVDを。

写真:あと少しだけ書かせてもらうと、食事シーンが多いように感じた。
終盤、主人公のジョニーがスパゲティを食べるところも、
そんな食事シーンのひとつ。
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by megumi_mh | 2011-09-15 22:09 | 映画
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この間、上京してきた母と一緒に、
ハリー・ポッターシリーズの最終話を観た。

せっかく東京に来たのだから、
東京見物すればいいじゃないかと思うのだけれど、
あまり欲のない母は特に行きたいところがないという。

「じゃあ、映画でも観る?」という話になって、
結局ハリー・ポッターを選ぶこととなった。

シリーズ最終章の『~死の秘宝』はPart1と2に分かれていて、
公開中の2を理解するには1を観ている必要があるのだけれど、
母は当然のごとく1を観たという。
別に示し合わせたわけじゃないのに。
70歳近い熟女(?)の心もとらえるとは、
恐るべしハリー・ポッター!!

よくよく考えればハリー・ポッターシリーズは、
子どもからお年寄りまで一緒に楽しめる
最近まれに見る優良コンテンツなのかもしれない。
(なかにはうちの姪っ子のように
「怖い」といって恐れるキッズもいないではないけれど)

何より一緒に観ていて、気まずくなるシーンもないしね。

写真:ハリー・ポッターシリーズを観ると、
I wish I were a birdと英語の教科書の例文が頭に浮かんでくる。
最終章に近づくに連れて、ほうきで飛ぶシーンは減っていったけれども。
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by megumi_mh | 2011-08-10 22:43 | 映画